出典: CMOS 『通信用語の基礎知識』 更新年月日 2007/06/05,URL: https://www.wdic.org/ 相補型金属酸化膜半導体。半導体素子の一つ。 [概要] MOSを素子として作られたICの一種である。 PチャネルMOS(PMOS)とNチャネルMOS(NMOS)という性質の異なったタイプのトランジスタを同一基板上で互いに動作を補いあって働くように作られたIC。これが相補型という名の語源となっている。 [特徴] 発熱 CMOS構造のICは、動作周波数と内部の動作トランジスタ数が消費電力と正比例する性質がある。 遅く動かしているうちは低消費電力であるが、高速に動かすようになると急激に消費電力が増える。実際、マイクロプロセッサーでは動作電圧を低下させて消費電力を低減させているが、それでも電流自体は増大の一途をたどっている。 消費電力が増すということは、比例して発熱するということである。そのため、消費電力の低減には多くの努力と技術が注がれ続けてきた。この消費電力低減は、動作電圧の低下以外にも、微細加工によってももたらされる。これは単位あたりの静電容量が減少することで電流が減るためである。 種類 CMOSにはAlゲートプロセスとSiゲートプロセスという、大きく2タイプが存在している。 Alゲートプロセス(8〜10µmルール)製法で作られているのが古いタイプのCMOSで、動作周波数もおよそ5MHz止まりと低速だが、その代わりに動作電圧範囲が広い(3〜15V)という特徴がある。 Siゲートプロセスという製法で作られているのが新しいタイプ(高速タイプ)で、設計ルールも1〜2µm以下になり、最近の主流LSI技術になっている。 利用 最も簡単な回路で構成できる基本論理はNAND、もしくはNORであるが、多くのディジタル回路設計者はTTL譲りの習慣として、NANDを優先して使う傾向がある。 ファミリーは、CMOSをメタル・ゲート・プロセスにして最初に商品化したRCAの4000シリーズと、その後、Texas InstrumentsのTTLにピン配置を合わせて作られた74シリーズとがある。後者は派生ファミリーも続々と開発され、今では4000シリーズを越えて完全に主流となった。 |
出典: ムーアの法則 『通信用語の基礎知識』 更新年月日 2013/09/14,URL: https://www.wdic.org/ 「マイクロプロセッサーの集積密度は、およそ18ヶ月ごとに2倍になる」という経験則のこと。 [概要] 元々はIntel創設者の一人ゴードン・アール・ムーアが1965(昭和40)年に雑誌「Electronics Magazine」に投稿した論文が初出であり、その一節で、次のように述べられていた。 The complexity for minimum component costs has increased at a rate of roughly a factor of two per year. Certainly over the short term this rate can be expected to continue, if not to increase. Over the longer term, the rate of increase is a bit more uncertain, although there is no reason to believe it will not remain nearly constant for at least 10 years. That means by 1975, the number of components per integrated circuit for minimum cost will be 65,000. I believe that such a large circuit can be built on a single wafer. [特徴] 定義 論文を邦訳すると、次のようになる。 部品のコストが最小になる複雑さは、毎年およそ二倍の割合で増加してきた。短期的には、この率の増加はないとしても、現状維持されることは確実である。長期的には、上昇率はやや不確実だが、少なくとも今後10年間ほぼ一定を保てないと信じるべき理由はない。すなわち、1975年には、最小限のコストで得られる集積回路あたりの部品数は65,000になることを意味する。私は、一つのウェハー上にそのような大きな回路を造ることが可能だと信じている。 つまり、マイクロチップの集積数は毎年倍に増えるが価格は変わらない、という指摘であった。ムーア自身は、自分は18ヶ月などという数字を出したことはない、と主張しているとされる。 現状 ・・・ |
出典: CMOS 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版(Wikipedia)』 最終更新 2019年12月10日 (火) 05:30 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/ CMOS(シーモス、Complementary MOS; 相補型MOS)とは、P型とN型のMOSFETをディジタル回路(論理回路)の論理ゲート等で相補的に利用する回路方式(論理方式)、およびそのような電子回路やICのことである。また、そこから派生し多義的に多くの用例が観られる。 [原理] pチャネルとnチャネル のMOSFETを、相補的に利用する。 ・・・ [特徴] TTLや、NMOSやPMOSのように片方だけを利用する方式では、常に回路に電流が流れつづけるのに対し、CMOSでは論理が反転する際にMOSFETのゲートを飽和させる(あるいは飽和状態のゲートから電荷を引き抜く)ための電流しか流れないため、消費電力の少ない論理回路を実現できる。さらに、微細化することにより、単一のMOSFETをスイッチングさせるのに要する電力量を減少させることができる。これにより、集積度を向上させるだけで、高速化と消費電力の低減も同時に得られる(デナード則。ムーアの法則も参照)。 |
出典: デナード則 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版(Wikipedia)』 最終更新 2020年1月25日 (土) 18:29 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/ デナード則は、ロバート・デナードが共著した1974年の論文に基づくスケーリング則である。デナード・スケーリングやMOSFETスケーリングとも言われる。元々MOSFETに対して定式化されたものであり、概ね、電力使用は面積に比例するが電圧と電流の大きさは長さに反比例するため、トランジスタが小さくなっても電力密度は一定を保つためことを述べている。 [ムーアの法則と処理能力との関係] ムーアの法則によると、トランジスタの数は2年ごとに2倍になる。デナード則と合わせると、これはワットあたりの処理能力が同じ速度で成長し約2年ごとに倍になることを意味する。この傾向はクーメイの法則と呼ばれる。倍になる速度は当初クーメイにより1.57年(ムーアの法則の倍になる期間よりもやや速い)であると提案されていたが、最近の推定ではこの速度が遅くなっていることが提案されている。 [2006年ごろのデナード則の崩壊] ・・・ |
出典: ムーアの法則 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版(Wikipedia)』 最終更新 2017年11月14日 (火) 05:15 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/ ムーアの法則(ムーアのほうそく、英: Moore's law)とは、大規模集積回路(LSI IC)の製造・生産における長期傾向について論じた1つの指標であり、経験則に類する将来予測である。米インテル社の創業者のひとりであるゴードン・ムーアが1965年に自らの論文上に示したのが最初であり、その後、関連産業界を中心に広まった。 [公式] 最も有名な公式は、集積回路上のトランジスタ数は「18か月(=1.5年)ごとに倍になる」というものである。 ・・・ |
同義語・類義語 | 関連語・その他 |
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CMOS | NMOS |
síːmɔs | エヌモス |
シィーモァース | PMOS |
シィ́ーモァース | P-channel Metal-Oxide Semiconductor |
スィーモス | P型金属酸化膜半導体 |
スィ́ーモス | ピーモス |
シーモス | デナード則 |
シ́ーモス | ムーアの法則 |
Complementary MOS | ・ |
kɑ̀mpləmɛ́ntəri mɔs | complementary |
カンプラゥメゥダゥリィー モァース | kɑ̀mpləmɛ́ntəri |
カンプラゥメゥダゥリィー・モァース | カンプラゥメゥダゥリィー |
カ̀ンプラゥメゥ́ダゥリィー・モァース | カ̀ンプラゥメゥ́ダゥリィー |
コンプリメンタリー モス | コンプリメンタリー |
コンプリメンタリー・モス | コ̀ンプリメ́ンタリー |
コ̀ンプリメ́ンタリー・モス | [形容詞] |
Complementary Metal Oxide Semiconductor | 相補的な |
Complementary Metal-Oxide Semiconductor | そうほてきな |
kɑ̀mpləmɛ́ntəri métəl ɑ́ksaid sèmikəndʌ́ktər | 相補う |
カンプラゥメゥダゥリィー メトゥルゥ オクサイドゥ セミケンダクタゥァー | 補足的な |
カンプラゥメゥダゥリィー・メトゥルゥ・オクサイドゥ・セミケンダクタゥァー | 補完する |
カ̀ンプラゥメゥ́ダゥリィー・メ́トゥルゥ・アォ́クサイドゥ・セ̀ミケンダ̀クタゥァー | |
コンプリメンタリー メタル オキサイド セミコンダクター | |
コンプリメンタリー・メタル・オキサイド・セミコンダクター | |
コ̀ンプリメ́ンタリー・メ́タル・オ́キサイド・セ̀ミコンダ́クター | |
相補型MOS | |
そうごがた モス | |
相補型金属酸化膜半導体 | |
そうほがた きんぞく さんかまく はんどうたい | |
相補性金属酸化膜半導体 | |
そうほせい きんぞく さんかまく はんどうたい | |
更新日:2024年 4月 7日 |
同義語・類義語 | 関連語・その他 |
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デナード則 | ロバート・デナード |
デナードそく | ムーアの法則 |
デナード・スケーリング | クーメイの法則 |
デナード・スケーリング則 | |
MOSFETスケーリング | |
モスエフイーティー・スケーリング | |
更新日:2020年 6月19日 |
同義語・類義語 | 関連語・その他 |
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ムーアの法則 | Carver A. Mead |
Moore's Law | Gordon E. Moore |
Moore's law | カーバー・ミード |
mɔ́:rz lɔ́: | ゴードン・ムーア |
モーァズ ラゥー | IC集積度 |
モーァズ・ラゥー | 半導体チップの集積密度 |
ムアゥーズ ロゥウ | 半導体の集積度 |
ムアゥーズ・ロゥウ | Cramming more components onto integrated circuits |
ムーアズ ロー | ・ |
ムーアズ・ロー | Cram |
ムーア法則 | krǽm |
18ヶ月ごとに2倍 | クラェム |
18ヶ月ごとに倍 | クラム |
18ヶ月で2倍 | [他動詞] |
18ヶ月で倍 | ~を詰める |
・ | ~を詰め込む |
ポスト・ムーア法則 | ~を押し込む |
ポスト・ムーア法則時代 | ・ |
ポストムーア | Cramming |
ポストムーアの時代 | kræmiŋ |
ポストムーアの法則時代 | クラェミング |
ポストムーア時代 | クラミング |
1年で2倍 | [名詞] |
2年で2倍 | 詰め込み |
押し込み | |
詰め込むこと | |
更新日:2022年10月19日 |