出典: 全銀協標準通信プロトコル 『通信用語の基礎知識』 更新年月日 2006/11/21,URL: https://www.wdic.org/ 銀行と企業とを直接ネットワークで接続し、振込・振替処理などを行なうファームバンキングに用いられる通信プロトコル。 [概要] 全銀協理事会により、1983(昭和58)年10月に「全銀協標準通信プロトコル(ベーシック手順)」、1984(昭和59)年1月に「全銀協パーソナルコンピューター用標準通信プロトコル(ベーシック手順)」が制定され、ファームバンキングの普及に重要な役割を果たした。 BSCプロトコルをベースに作られている。 [特徴] 階層構造 OSI参照モデルと異なり、回線層、データリンク層、通信制御層、機能制御層、アプリケーション層の5階層構成となっている。 これはデータ転送時にダイアリングなどコネクションの確立を行なうため、ネットワーク層とトランスポート層を分離できず合わせて通信制御層としているのと、転送単位がファイルであり対話型データ通信が無いことから、セッション層とプレゼンテーション層を合わせて機能制御層としていることによっている。 適用回線 適用回線として、大型コンピューター用にDDX、専用回線、公衆電話回線を、パソコン用として公衆電話回線のみを想定している。 仕様差 大型コンピューター用とパソコン用の二種類が存在する。 大型コンピューター用では特に適用業務を規定せず、銀行側・企業側どちらも優先局(呼び出し側)になることができ、1度のコネクション毎に複数のファイルを伝送できる。 パソコン用では適用業務とそれに合わせたレコードフォーマットを限定し、優先局は常にパソコン側、ファイルを一度に1つだけしか伝送できない、といった制約がある。 業務種類 パソコン用プロトコルで規定される業務の種類 ● 振込入金通知 ● 入出金取引明細 ● 残高通知(預金) ● 給与振込(民間) ● 賞与振込(民間) ● 給与振込(地方公務員) ● 賞与振込(地方公務員) ● 総合振込 ● 株式配当金振込 ● 年金信託契約に係わる年金・一時給付金振込 ● 公的年金保険の年金・一時給付金振込 ● 医療保険の給付金振込 ● 預金口座振替(依頼明細) ● 預金口座振替(処理結果明細) ● 預金口座振替変更通知 ● 住宅ローン関係(財形ローン) ● 住宅ローン関係(その他) ● 財形貯蓄関係(依頼明細) ● 財形貯蓄関係(処理結果明細:積立内容) ● 財形貯蓄関係(処理結果明細:利子補給) ● 財形貯蓄関係(処理結果明細:その他) |
出典: 全銀協標準プロトコル 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版(Wikipedia)』 最終更新 2018年5月5日 (土) 05:38 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/ 全銀協標準プロトコル(ぜんぎんきょうひょうじゅんプロトコル、英語: Zengin-Procedure)とは、全国銀行協会により公表された日本銀行と各金融機関、各金融機関間、各金融機関と利用者の間のコンピュータ接続方式。金融機関とのデータ交換にとどまらず、一般的な企業間データ交換手順としても利用されている。全銀協手順、全銀手順、Z手順とも呼ばれる。仕様書は全国銀行協会から有償で入手することができる。 [概要] ベーシック手順 銀行と企業との間でオンラインデータの交換を行う場合に使用することを目的として開発された日本独自の通信手順。 1983年10月に全銀協標準通信プロトコル(ベーシック手順)が制定され、1984年1月には全銀協パーソナルコンピュータ用標準通信プロトコル(ベーシック手順)が制定された。専用のハードウェアや公衆交換電話網回線を必要とする。 通信制御にはBSC手順(2進同期通信)に準拠したものを使っており、データリンクレベルと電文制御レベルを区分している点が特徴。通信速度はアナログ回線では2400bps、ISDN回線を利用すれば最大64kbpsである。 ・・・ TCP/IP手順 1997年3月に制定された。拡張Z手順、全銀協TCP/IP手順、全銀TCP/IPなどとも呼ばれる。 アプリケーションインターフェイスは、ベーシック手順と互換性を保っているが、BSC手順の代わりにトランスポート層以下にTCP/IPを用いる。TCP/IPが利用可能な様々な通信方式、通信機器を利用でき、高速な通信ができるのが利点である。但し、公衆交換電話網での運用を前提とすることは、ベーシック手順と変わっていない。 ・・・ TCP/IP手順・広域IP網 2017年5月16日に仕様書が公開された。 公衆交換電話網を適用回線とするこれまでの全銀協手順に対し、広域IP網(インターネット・IP-VPN等)での適用を前提とした手順である。 電文シーケンスや電文制御手順は、TCP/IP手順のものを踏襲。広域IP網特有のリスクであるセキュリティリスクに対しては、利用者によってその対策の要求水準が異なることから、セキュリティ対策の実装・運用については自由度を持たせた仕様設計となっている。具体的なセキュリティ対策の例として、全銀協は「L2TP/IPsec、IPsec、IP-VPNなどによる閉域網」の利用を挙げている。 |
同義語・類義語 | 関連語・その他 |
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全銀協標準プロトコル | 全銀協 |
ぜんぎんきょうひょうじゅんプロトコル | 全国銀行協会 |
Zengin-Procedure | 全国銀行協会連合会 |
zengin prəsíːdʒər | 32KB |
ゼンギン プロシィージャー | |
ゼンギン・プロシィージャー | |
ゼンギン プロシージャー | |
ゼンギン・プロシージャー | |
ベーシック手順 | |
Z手順 | |
全銀協パーソナルコンピュータ用標準通信プロトコル | |
全銀協パーソナル・コンピュータ用標準手順 | |
全銀協手順 | |
全銀協伝送制御 | |
全銀手順 | |
Japan Bank Association protocol | |
dʒəpǽn bǽŋk əsòusiéiʃən próutəkɔ̀l | |
ジャゥパェン バェンク アゥソシエイシュン プロドゥコァールゥ | |
ジャゥパェン・バェンク・アゥソシエイシュン・プロドゥコァールゥ | |
ジャパン・バンク・アソシエーション・プロトコル | |
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TCP/IP手順 | |
拡張Z手順 | |
全銀TCP/IP手順 | |
全銀TCP/IP | |
TCP/IP手順・広域IP網 | |
更新日:2023年 1月 4日 |